この記事では、現在の所得状況でざっくりいくら借りられるのかの目安を簡単に計算する方法をご紹介していきたいと思います。
前の記事の続きになりますので、まだ読んでいない方は、先に読まれることをお勧めします。
前の記事では、審査基準の大事な項目「返済負担率」について触れてきました。
またその返済負担率を使ってフラット35の場合でいくらまで借りられるのか、を所得別にまとめました。
この記事では、フラット35ではなく、「ネット銀行」や「大手都市銀行」での返済負担率の考え方をお伝えしていきます。
こんな人にオススメ
- これから家を買おうと思っている自営業・個人事業主の人
- でも自分が住宅ローン審査に通るのか不安な人
- 「収入・所得がいくら」なら「いくら借りられる」のか 借入可能額の目安を知りたい人
- 「返済負担率」について知りたい人
- 金利の低い「ネット銀行「都市銀行」で借りたいけど借りられるのか不安な人
家を探し始めた時、そもそもいくらくらい借りられるのか検討もつかず、とあるネット銀行の窓口で担当者さんに教えてもらったことなどを、できるだけわかりやすくまとめてみましたよ〜。
「フラット35」と「ネット銀行・都市銀行」では、返済負担率の取り扱い方法が違います
フラット35は自営業でも通りやすい、と言われていますが、審査が厳しいと言われる「ネット銀行・都市銀行」と何が違うのでしょうか。
大きく違う点は、以下の3点です。
- 返済負担率の数値基準
- 審査に使用する所得の年数
- 返済負担率計算時の審査金利
「返済負担率」の数値基準の違い
ひとつひとつ見ていきましょう。
まず、返済負担率の基準数値そのものが、ネット銀行・都市銀行は厳しいと言われています。
※ 返済負担率ってなに?という方はこちらを参照ください。
返済負担率の数値自体を公開している銀行は少ないですが、2018年にとあるネット銀行の窓口で、年収400万未満の場合の返済負担率基準は25%以下と教えてもらいました。当時と現在で変わっている可能性もありますが、フラット35よりマイナス5%と仮定して話を進めます。
(あくまでも推定ですが。)
また、他のネット銀行、大手都市銀行も基準はだいたい同じ、とその窓口の方はおっしゃっていました。
年収 | 400万円未満 | 400万円以上 |
フラット35 | 30%以下 | 35%以下 |
ネット銀行・都市銀行(推定) | 25%以下 | 30%以下 |
基準値が低い=「審査が厳しい」なので、単純にフラット35よりネット銀行、都市銀行が審査が厳しいということがわかります。
審査時の計算に用いる所得の「年数」の違い
次は、審査時に返済負担率を計算する際に用いる年収、所得についてです。
年数 | |
フラット35 | 直近の1年 |
ネット銀行・都市銀行(推定) | 過去3カ年の所得の平均 |
上記のとおり、フラット35は直近の1年だけでOK
対してネット銀行・都市銀行は過去3カ年(2年の銀行もあり)の年収・所得の平均値を用いるところが多いんです。
自営業の方、住宅ローン通過するためには、頑張って売り上げあげないといけない。売り上げあげて所得をあげて税金もいっぱい払って。。
それを3年(もしくは2年)は続けないと、ネット銀行・都市銀行の審査基準を通過する基準には達しにくいんですね〜。
厳しい。。。
返済負担率計算時の「審査金利」
最後にもうひとつ「審査金利」についてご説明します。
返済負担率を計算する時に、年間の返済額をだしますが、その返済額を計算する時に、実際に借入する金利(今だったら1%を切るところも多い低金利)ではなく、「審査金利」といって計算用に別の高い金利を採用して、それで出た返済額(つまり実際に返済する額より高い)が年収に占める割合を計算するんです。
ちなみにフラット35の場合は審査金利はなく、実際の借入金利での計算となります。
審査用金利 | 実際の金利 | |
フラット35 | 実際の金利と同じ | 1.480〜2.970% (2022.11月) |
ネット銀行・都市銀行(推定) | 3.5%程度 | 0.410〜 |
うーん、文字にするとややこしい!
ですかね?
とにかく、ネット銀行・都市銀行では高い「審査金利」採用して計算しないといけないので、返済負担率の計算が不利になるよ〜って話なのです。
具体的に数字でみていきましょう。
- 年収350万円(3年平均も同じとする)の人が2500万円を借入希望とします。
年収350万円(3年連続とする) の人が2500万円借入希望とします。
63,906(月額)×12 / 3,500,000 × 100 = 21.91%
返済負担率21%なら、25%を超えてないから融資OKやん!!と思いたいとことですが、実際は「審査金利」を用いて計算しないといけません。
103,322(月額)×12 / 3,500,000 × 100 =35.42%
となって、25%を超えているので融資NGとなってしまうわけです。
借りられたら実際月の返済は63,000円なのに、もっと高い金利(3.5%)で計算して月10万払う想定でも、年収を圧迫しないかどうかをジャッジするってことなのですね。
いやはや
ネット銀行・都市銀行きびしっ!!
金利低いから通るならめちゃくちゃ魅力的だけど、自営業で数年連続しっかり黒字を出してないといけないっていうことですねぇ。
ネット銀行・都市銀行 あなたはいくら借りられる?「審査金利3.5%」で計算した所得別 借入可能額のめやす
ではそのたかーい「審査金利:3.5%」で返済負担率を計算して、ネット銀行・都市銀行で、実際に所得がいくらならいくら借りられるのか?を表にまとめてみましたので参考にしてみてくださいね。
もちろん、年収以外の審査基準は加味していませんので、この表でOKだからと言って審査通過する保証はありませんが、だいたいいくらくらい借りられるのか〜というめやすにはなると思います。
年収 | 400万未満 | 400万以上 | |||||||
基準 | 25%以下(推定) | 30%以下(推定) | |||||||
年収 | 200万 | 250万 | 300万 | 350万 | 400万 | 450万 | 500万 | 550万 | 600万 |
借入可能額 | 1008万 | 1260万 | 1512万 | 1764万 | 2419万 | 2722万 | 3024万 | 3326万 | 3629万 |
※年収は直近3年の平均値と想定しています。
フラット35 vs ネット銀行・都市銀行 借入可能額めやす の比較
最後に、フラット35とネット銀行・都市銀行で、年収別の借入可能額を比較しておきます。
年収 | 400万未満 | 400万以上 | |||||||
年収 | 200万 | 250万 | 300万 | 350万 | 400万 | 450万 | 500万 | 550万 | 600万 |
フラット35 借入可能額 | 1509万 | 1886万 | 2264万 | 2641万 | 3521万 | 3962万 | 4402万 | 4824万 | 5282万 |
ネット銀行・都市銀行 |
1008万 | 1260万 | 1512万 | 1764万 | 2419万 | 2722万 | 3024万 | 3326万 | 3629万 |
ひーーっつ
年収350万で、1000万円近くちがうっ‼︎
と、かなーり違うことがお分りいただけると思います。
都市銀行・ネット銀行、条件厳しいーっ!! でも、金利の低さがかなり魅力的ですよね。。
自営業さんでは縁がある人は少ないかもしれませんが、もし、もしも、お手元で計算してみて、厳しい基準を乗り越えられそうかも!!という方は、ぜひぜひ、↓の都市銀行・ネット銀行さんの門を叩いてみてほしいところです。(金利は2022年11月現在です)
・auじぶん銀行 変動金利 年HPご確認 %〜
・住信SBI銀行 変動金利 年0.44%〜
・新生銀行 変動金利 年0.45%〜
・三菱UFJ銀行 変動金利 年0.475%〜
そして、敷居がかなり高い「ネット銀行・都市銀行」と、借りやすい感じがある「フラット35」の中間に位置しているのが「地方銀行」「信用金庫」「JA」等になります。これらの金融機関が自営業の強い味方になってくれることも多いので、もし銀行で審査に落ちても、へこたれずにトライしてみてほしいなと思います。
いかがでしたか?
審査金利ってなんやねーーん!!と思ってた方、ご理解いただけたでしょうか。
ネット銀行・都市銀行さまさまが、お金を貸してくれるのか否かのハードルを高くする恐ろしい数値だったのですね!
って、disってないです。
借りれるなら借りたかったですー。
・そんな我が家の住宅ローン事情が気になる方
・店舗兼住宅 事務所兼住宅で住宅ローンを借りたい!!
って方は、↓↓もチェックしてみてくださいね。